2世帯の計画を考えるとき、親世帯と子世帯、それぞれの生活リズムが異なるなかで、
お互いの距離感をどのように設定するか毎回苦慮します。
皆ができるだけ気を使わずに生活できることを優先すると、基本的には玄関も含め、
それぞれの世帯を完全に分ける方が無難です。
最初にご提案させて頂いたプランは、1階と2階を完全に分ける方法でした。
しかし、南北東面に目一杯建物が建つ敷地では、1階の採光、通風はあまり期待できません。
施主さんも、このプランにはあまり納得されていない様子でした。
そこで、どうしようか悩みながらも、描きかけて途中で止めた、吹き抜けで光と風の通り道を
つくる案のスケッチをお見せしたところ、「こっちの方が面白い!」と
思いのほか受け入れてくださり、上下階が吹き抜けで繋がる案に決定しました。
吹き抜けの周囲に設けた建具で、距離感を調整できるなど、
お互いを思いやる仕掛けをつくりつつ、自然光で明るい住まいが実現しました。
お客様のこだわりCOMMITMENT
TO HOUSE
外観デザイン
世帯の繋がり
リビングダイニングは吹き抜けで繋がります。夏の暑い空気は、吹き抜けから高窓へ抜けていきます。
玄関土間
玄関土間には、ベンチと手すり代わりの格子を配置。網戸付き玄関引戸は、開け放して風の通り道に。
世帯の繋がり
南側の高窓から、階段と吹き抜けを介して家全体に光と風が抜けていきます。1階と2階の距離感は、吹き抜けに取り付けた建具で調整します。
2階ダイニング
ダイニングテーブルと横並びのキッチンは使い勝手が抜群。背面収納は天井まである建具で、無垢の木目が柔らかい印象をつくります。
2階リビング
大きな窓から暖かい陽が差し込みます。
子供部屋
1面しか窓が採れない子供部屋の入口上には欄間を設置。こんなところにも光と風の通り道を工夫します。
洗面
洗面は造作で広々とシンプルに。鏡の扉の後ろには、収納と窓開閉のチェーンが隠れています。
SIC
土間続きのシューズクロークには、アウトドア用品の収納も設置。ベンチの下には普段履きが並びます。